現代人はネットの発達やデスクワークの浸透により「座りっぱなし」の生活を余儀なくされています。
長時間座り続けることが体に様々な害悪を及ぼすのは十分に知られていることです。
そこで昨今は座りっぱなしの弊害を避けるために、立ったまま仕事を続けられるスタンディングデスクが広まっています。
ところが豪シドニー大学(University of Sydney)の最新研究で、立ちっぱなしも健康に良くないことが示されたのです。
研究によると、立ちっぱなしは心不全や脳卒中などの心血管疾患の予防には寄与せず、逆に下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)や深部静脈血栓などのリスクを高めることが示唆されました。
研究の詳細は2024年10月16日付で医学雑誌『International Journal of Epidemiology』に掲載されています。
目次
- 立ちっぱなしも体に悪いのか?
- 立ちっぱなしが長いほど、循環器疾患リスクが高まる!
- では一体どうしろと言うのか?
立ちっぱなしも体に悪いのか?
1日の座位時間が長いほど、健康に害悪を及ぼすことは数多くの研究で証明されています。
座りっぱなしの生活を続けている人は腰痛や肥満、首の痛み、不全や脳卒中といった心血管疾患、糖尿病、早期死亡などのリスクが高まるのです。
特に1日に6〜8時間以上座り続けているとこれらの病気のリスクが高まると指摘されています。
しかしデスクワークやネットが浸透した現代社会では、多くの人がどうしても座りっぱなしにならざるを得ません。
そこで近年、健康的に仕事を続けられるよう広まりつつあるのがスタンディングデスクです。
スタンディングデスクは机の高さを腰やお腹の位置まで高めることで、立ったまま作業ができる便利な代物。
「健康を気にかけてスタンディングデスクで作業するようにしている」という方も多いかもしれません。
一方で、立ちっぱなしにもデメリットがあり、立ったままの姿勢が足腰や背中、関節にストレスをかけて、姿勢が悪くなったり、浮腫みやすくなったりすることが知られています。