実際のコーヒー豆と同様に焙煎して、限りなくコーヒーの味わいに近いクオリティまで引き上げることができたのは、他社との明確な差別化要因になっていると考えています。
2つ目は、既存のコーヒー業界を置き替えるというのは全く考えていないことです。
我々はコーヒー業界に対して“ラブレター”を送っており、持続可能な商品を提供することで、コーヒー業界を支援していきたいという思いを強く持っています。
コーヒー豆の生産に大量の水が必要になること、CO2の排出など、コーヒー業界が抱えるさまざまな課題に対して、我々とパートナーシップを結んで、コーヒーの持続可能な生産の仕組みを作っていくことを念頭に置いています。
コーヒー業界のインフラを活用して商品を広めるパートナーシップ戦略
——コーヒーショップを開くのではなく、リバースエンジニアリングを用いてコーヒー豆を開発し、新たな嗜好性飲料を広げていく構想はどこから着想を得たのでしょうか?
Hoehn:コーヒーショップを最初に開業しようとすれば、非常にコストもかかりますし、インフラも必要になってきます。加えて、コーヒーチェーン自体もすでに寡占状態になっているため、そこにATOMO COFFEEが参入していくのはベストな選択ではないと捉えていました。
そこで、既存のコーヒー業界のインフラを活用して、地球に優しい商品を届けていくというビジネスモデルになったわけです。
我々はコーヒーショップチェーンのほか、コーヒーの流通メーカーやコーヒー豆の焙煎・加工を手がける事業者など、多様なコーヒー業界の企業とパートナーシップを組んで事業展開していくことを目指しています。
スターバックスやラッキンコーヒーといった巨大コーヒーチェーンも、我々のライバルだとは思っておらず、むしろパートナーだと捉えています。
コーヒー2050年問題でコーヒー供給量の減少が懸念されていますが、コーヒー豆だけではなく、ほかの農作物においても地球温暖化の影響でカカオ、オレンジなどの価格が非常に高騰しています。