思いもよらないところからその人の人間性や本性が垣間見えることがある。そのひとつがゴミの捨て方、出し方だ。「どうせ捨てるから」と自分本位な処理の仕方をしている人はいないだろうか。今回は、清掃員の人たちに「ゴミの出し方から見える人間性」について聞いてみた。

「 ペットボトルの捨て方」に人間性が現れる

ご存じの通り、ペットボトルは資源ごみにあたるため、中をキレイにすすぎ、ラベルをはがし、分別をして捨てなければならない。これが面倒だ、と感じている人も少なくないだろう。

清掃員がオフィスのペットボトルを回収にまわると、キレイに処理している会社もあれば、汚れたままのペットボトルを捨てているオフィスもあるという。 不思議なもので、ペットボトルの出し方が汚いオフィスは、可燃・不燃ごみを分別していなかったり、ゴミ箱回りが汚かったりするらしい。

ペットボトル資源を分別するのは自分たちのテリトリーを少しでも美しく保ちたい、という意識の表れでもあるだろう。 一方、「どうせゴミだから」と分別したり処理したりせずに捨てる人は、「自分に関係ないことはどうでもいい」という意識が強い人、と言えそうだ。

「ゴミ捨ては新人の仕事」にしている社員は伸びない

「ゴミ捨ては新人の仕事」とばかりに、雑用を新人の仕事にしている社員は、すべからく伸びない……と、とある清掃員は語る。

既存のやり方に疑問を持たず、「それが今まで当たり前だったから」などという理由で新人教育の一環として、ゴミ捨てを新人に押し付けている社員は、考えることを放棄していると言ってもよいだろう。 成長するために必要なのは疑問を持つこと。「なぜゴミ捨ては新人の仕事なのか」と考えられない社員は、仕事においても「なぜ?」「どうして?」と追及することができないだろう。

伸びる人材とは、時代の変化に柔軟に対応できるもの。「ゴミ捨ては新人の仕事」という自分のルールを、ビジネス根柢のルールだと勘違いしてはいけないのだ。

ゴミから見える人の「本性」

人は他人から見えないところでは「まぁいっか」と自分に甘くなってしまいがちである。そのひとつが「ゴミの捨て方」だ。しかし、その「まぁいっか」で済ませしまう人間性は、ふとしたときに露呈してしまうものだ。心を入れ替えるには、まずゴミの捨て方から見直してみよう。

文・大中千景

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