そもそも現代国家では、帝王と政治家、とくに首相との会話は表に出すべきものでない。なぜなら、それが流出すると、立憲君主制と齟齬を来すからである。

英国の国王と首相は週に一回会談をして、英国の場合は国王は実質的な意見を言って良いのだが、それを首相は胸に国政に反映することもあるが、あくまでも首相の気持ち次第であり、かつ国王の希望であることは厳密に秘するべきことだ。

また、日本の象徴天皇制では、天皇陛下が政治に口出しすることはあってはならないと理解されている。

だから、上皇さまがご退位の希望を国民に直接語られたことは、なかなか際どい話だったし、安倍内閣はそれには影響を受けない建前を崩さず、特例法をまとめ上げた。その過程で、陛下と安倍さんはだいぶ話し合ったようだが、それが明らかにされることはなかった。

それに対して、野田が本当かどうかも分からないやりとりを匂わすようなことをしているとすれば、立憲民主党などという名の党の代表としてはまったく相応しくない