TSMC熊本工場は誰のために何をつくるのか

 TSMC熊本工場は、半導体の受託生産のビジネスを行うことになっている。受託生産というのは、半導体の設計を専門に行うファブレス企業などから半導体の生産を委託され、その半導体をシリコンウエハ上に生産することを意味する。

 では、TSMC熊本工場には誰が生産委託をするのだろうか。半導体の設計を専門に行うファブレス企業は、米国に約500社、台湾に約300社、中国には2800社以上もあるが、日本には10社あるかどうかというお寒い状況である。このファブレス企業の数からいうと、TSMC熊本工場は、主として海外向けの半導体の受託生産を行うのではないかと思われる。ただし、TSMC熊本工場には、ソニーが20%、デンソーが10%資本参加しているため、ソニーとデンソーがTSMC熊本工場に生産委託するかもしれない。しかし、その割合は月産5.5万枚のうちの1~2万枚位しかないと推定している。