半導体工場と原発の比較
TSMC熊本の第1工場の経済波及効果は、2022~31年の10年間で6兆8518億円と推定された。また、ラピダス北海道の2つの工場による経済波及効果は、2036年までの14年間で18.8兆円と試算された。一方、柏崎原発の経済波及効果は、1975年から1996年までの22年間で約3兆円だった。
以上の結果、単純な金額を比較すると、TSMC熊本工場の経済波及効果は柏崎原発の約2倍、ラピダス北海道工場の経済波及効果は柏崎原発の約6倍ということになる。したがって、熊本県知事が「100年に1度」、ラピダスの小池社長が「1000年に1度」のビッグチャンスと発言したくなる気持ちも分からないではない。しかし、TSMC熊本工場およびラピダス北海道工場と、柏崎原発とでは、決定的な違いがある。その詳細を以下で論じたい。