たとえばウナギの完全養殖はまだ難しく現在は稚魚の状態のものも捕獲されており、他の魚を含めて今後30年養殖を続けて、今の2倍の生産量を達成するのは現実的ではありません。培養する方法での供給が可能でそれが養殖といった方法よりも優れていることがわかれば、その方法への移行を考える必要があるでしょう。
拙速に移行するべきではありませんが、業界が持続可能なものになるように移行を助ける手段を見つけることが肝心です。
―― シーフードを培養肉で再現するのは、鶏肉や牛肉と比較して簡単なことでしょうか?Mihir:ある意味では難しさを伴います。魚と人間の間には数億年の進化のギャップがあり、鶏や牛とは違って人間やマウスに基づいた研究を使用することはできないからです。そのため、細胞に何を与えて育てるべきか、どの温度で成長させるのが適切なのかなど基本的な研究から始める必要があります。
しかし、長期的には容易になる可能性はあります。なぜなら、脂肪と筋肉が非常に密接に混ざり合った魚の体内構造は、哺乳類よりも質感を模倣しやすいからです。
――培養シーフードが市場に受け入れられるために、どのような開発をされているのでしょうか?
Mihir:私たちは、通常の製品と同等の栄養価を持たせるか、栄養価を向上させることに焦点を当てています。
味に関しては、高級レストランから小売店までの海産物のプロファイリングを現在行っています。まずはプレミアムな海産物がどのように異なるのか、人々が高品質として価値を見出すものは何かを理解し、そのあとプレミアムな味を再現することへ焦点を当てていきます。
培養肉の業界標準となる中核技術の提供者へ
次に、他社と比較したUmami Bioworksの強みについて伺った。
――他社と比較した貴社の強みは何でしょうか?