フルキャブオーバー軽商用車を定着させた傑作
ライバルにもそれぞれ見るべきところはあったものの、やはりキャブオーバースタイルの実用性にはかないません。
他社が二の足を踏んだ理由でもある「衝突時の安全性」については、むしろ視界良好で衝突しにくいという面もあるのでユーザーはあまり気にせず、もちろん軽オート3輪と異なり転倒しやすいということもないため、軽トラック/軽バンのスタンダードとなっていきます。
とはいえ、真っ先にフルキャブオーバー化の波に乗ったホープスターOV(1962年)は、小規模メーカーの悲しさで販売台数を伸ばせず自動車メーカーとしては撤退(後にホープスターON型4WDで市場復帰を図るも断念、初代スズキ ジムニーとして発展する)。
ダイハツやスズキ、コニーなども1960年代半ばにようやくフルキャブオーバー型へ脱皮しますが、アンダーフロアミッドシップのホンダ TN360やコニー360ワイドを除けば、リアエンジンのサンバーは騒音が低く、四輪独立懸架で貨物も傷みにくいメリットがありました。
販売網の弱さもあって、いずれライバル車にシェアを奪われていくサンバーですが、軽貨物車のフルキャブオーバー化という流れを決定的にした功績は大きく、その後も独自性を発揮しながら、「軽トラ/軽1BOX車の代表車種」として君臨していったのです。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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