研究者たちは「私たちの活動はポリコレにかかわる因果関係をよりよく理解するための第一歩にすぎない」と述べています。
ポリコレがもたらす社会的利益にのみ目を向け、個人が被る不利益を無視しつづければ、社会に歪みが生じるでしょう。
歪みの蓄積が大地震を起こすように、たとえ正しいことでもその活動を広く長期に実現させるためには、多くの人に無理がないように実行する必要があるでしょう。
研究者たちは最後に「今回の研究目的はポリコレがもたらす利益を否定することや、中止を提言するものではなく、ポリコレの理解を進めることである」と述べています。
万人にとっての最善がないことを認め、より効果的な運用を目指すことは、決して理想からの後退ではないはずです。
※この記事は2022年7月公開のものを再掲載しています。
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参考文献
Political correctness can lead to cognitive exhaustion, according to new research
https://www.psypost.org/2022/07/political-correctness-can-lead-to-cognitive-exhaustion-according-to-new-research-63539
元論文
Walking on eggshells: A self-control perspective on workplace political correctness.
https://doi.org/10.1037/apl0001025
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。