研究者たちはこの結果からポリコレを強制されることは、人間の認知資源を枯渇させ集中力や注意力を低下させると結論しました。
しかしより深刻な影響は、私生活のほうに現れていました。
ポリコレを求めるほど私生活の質が低下する
ポリコレは私生活にどんな影響を与えるのか?
研究者たちは疑問を調べるために、会社に勤めている96人の従業員とその配偶者を被験者として選びました。
調査期間中、従業員たちはその日の職場において自分がポリコレにどれだけ配慮できたかを答えてもらいます。
一方、配偶者たちには職場から家に帰ってきた従業員たちの状態について質問するアンケートに答えてもらいました。
結果、他人を重要視する傾向(他者志向)が強い人ほど自分がポリコレによく配慮できたと報告。
しかし配偶者の観察結果をあわせるとポリコレに配慮するほど被験者たちは「精神的な疲労」が大きくなっており、配偶者からみて「怒りっぽく」「内向的」に変化していると感じられる傾向にあることが判明しました。
同様の結果は別の社会人を対象にした調査でも判明しておりポリコレに配慮するために自分の言動を「自己検閲」した会話を行うと、認知資源が枯渇していたことが示されました。
これらの結果から研究者たちはポリコレに配慮した行いを職場でとることは、私生活の質を悪化させ、配偶者との関係を損なう可能性があると結論しています。
社会的利益と個人的利益の不都合な不一致
今回の研究によってポリコレへの配慮によって、脳機能の低下と配偶者との私生活が棄損される可能性が示されました。
会社などの経営者や部下を指揮する立場の人間にとってポリコレを奨励することは会社の利益につながる場合がある一方で、ポリコレ配慮を強制された従業員には認知機能の低下や私生活の質の悪化の懸念が発生します。