このことは、何とか生き残った隊員たちの悲惨な状況を明らかにしています。
遭難した彼らは十分な食料を得ることができず、飢えや病気に苦しんでおり、生きるための最後の手段として人肉食を行うしかなかったのです。
先に亡くなったフィッツジェームズ船長の肉をそぎ、食べなければいけなかった隊員たちの心情を考えると、彼らがどれほど悲惨で絶望的な日々を送らなければいけなかったかがよくわかります。
今回の研究により、フィッツジェームズ船長が、フランクリン遠征隊による人肉食の犠牲者であることが初めて明らかになりました。
回収された彼の骨は、他の犠牲者と共に埋葬され、死亡現場には記念碑が建てられました。
またスタントン氏と彼の同僚は、フランクリン遠征隊の子孫が他にもいないか探しており、残りの遺体の身元確認を行いたいと考えています。
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参考文献
Doomed Franklin Expedition Ate Their Captain, Bone Study Reveals
https://www.sciencealert.com/doomed-franklin-expedition-ate-their-captain-bone-study-reveals
元論文
Identification of a senior officer from Sir John Franklin’s Northwest Passage expedition
https://doi.org/10.1016/j.jasrep.2024.104748
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部