IMFのデータであれば、これらの国を含めてより現実的な日本の立ち位置がわかるかもしれませんね。
- 日本のGDP
まず今回は、IMFで公表されているデータが、日本国内やOECDの統計データと合致するかを確認してみたいと思います。
ちょうど2024年7月からOECDの統計サイトが刷新されましたので、OECDデータの検証も兼ね、最新の2023年のデータを見てみたいと思います。
まず、日本のGDPについて名目値と実質値の推移を確認してみましょう。
図1が日本のGDPについて、各統計データの名目値と実質値の推移を重ねたグラフです。
名目値については、OECDのデータが緑、IMFが青、内閣府の国民経済計算が黒の実線です。
実質値については、OECDのデータが橙、IMFが赤、内閣府の国民経済計算が黒の破線です。
実質化の基準年はどの統計データも2015年で、この年で名目値と実質値は一致します。
3つの統計データは、名目値でも実質値でも一致している事がわかりますね。
もちろん国際機関の公表しているデータは、日本の国民経済計算を参照していると考えられますので、当然の結果ではあります。
日本の名目GDPは1997年をピークにして長期間停滞が続いてきましたが、2010年以降は上昇傾向が続いていて、2023年は大きく増加して592兆円に達しています。
実質GDPは緩やかな増加傾向が続いていて、2023年は559兆円です。
ただし、2022年以降は物価上昇が大きく、名目成長よりも実質成長の方が低い状況となっています。
- 日本の1人あたりGDP 名目値
続いて、日本の1人あたりGDPについて、ドル換算した数値をOECDとIMFのデータで比較してみましょう。
名目のドル換算値は、為替レート換算値と購買力平価換算値の2通りが公開されています。