日本では解雇規制があり、実際には解雇はそんなに簡単ではないかもしれませんが、以前よりも新規の雇用は減るでしょう。
面接に来た人が即戦力となるような経験や技術を持った人でなければ、採用されることは難しくなるでしょう。
新規雇用が減るということは、転職しにくくなるということでもあります。
ここで、今回は「いろんな働き方があってもいいのではないか?」「働き方の多様性」という視点から、最低賃金が引き上げられた場合におこることを、具体的に考えてみたいと思います。
自民党の主張では、「2020年代に1500円」ということですが、話を超単純化するために、1500円に一気に上がったら、どうなるだろうかと考えてみたいと思います。
賃上げによる企業負担を減らすため、企業へ補助金を出したり税優遇などもありますが、話が複雑になるために今回は考慮しません。(税金で給料の一部を補填するに等しいこのような行為は、社会主義的で大問題だと思いますが)
近所の飲食店を想像してみてください。どこにでもあるような小さな店です。定食屋でも喫茶店でもいいです。
あなたがよく行くお店で、そこそこ人気がある店です。
そこでは、店主以外に、3人のパートさん(A〜Cさん)が働いているとします。
とある飲食店の3人のパートさん
【Aさん】 今年入ったばかりの新人さん。仕事経験はほとんどありません。他人と話が苦手なので接客はやりたくありません。複数の作業に優先順位をつけてするのも苦手なので、1つの作業をずっとすることが好きです。仕事内容は掃除や片づけなどに限定する、という条件で雇われています。時給は1000円。
【Bさん】 勤務5年目で、店の業務は一通りすべてできます。特に仕事熱心でもありませんが、普通に頑張って少しずつ業務ができるようになり、毎年少しずつ昇給しました。今の時給は1500円。
【Cさん】 店のオープン時からいるベテランスタッフ。店の業務をすべて完璧にこなし、新人の教育も任されてきました。常連客からの評判もよく、店主からも信頼されています。時給は1800円。