これにより、広範囲な地域での生産が可能になり、安定したバイオ燃料の供給源として期待されています。
但し、当然いいことばかりではありません。
やはり製造コストは他のバイオ燃料と同様に軽油と比べても高く、合理的な大規模生産に移行することで採算ベースに乗せる必要があります。
今後は、細胞内の油脂生成機能の向上に向けた品種改良や培養技術の開発に期待したいところです。
低酸素や低窒素のストレス環境下でも、自己防衛のために一生懸命に油脂を作ろうとするミドリムシ、どこか健気(けなげ)に見えてこないでしょうか。
全ての画像を見る
参考文献
科学技術振興機構公式Webサイト
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20160523/index.html
元論文
スーパー微細藻類バイオ燃料の創出に向けた基盤技術
https://doi.org/10.2142/biophys.57.235
ライター
鎌田信也: 大学院では海洋物理を専攻し、その後プラントの基本設計、熱流動解析等に携わってきました。自然科学から工業、医療関係まで広くアンテナを張って身近で役に立つ情報を発信していきます。
編集者
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。