「掃除機を透明にしてゴミを見せるのは『ポストモダニズム※1)』を意識したのか?」
とジャーナリストに聞かれたダイソン氏は以下のように答えた。
「いいえ、ゴミが一杯になったらわかるようにしただけです」
(『逆風野郎!-ダイソン成功物語』より。筆者一部編)
ダイソン氏は語る。外側から考え始めたら失敗することは目に見えていると。機能から生まれたデザインはモノが自ら語ってくれると。「不快」あるいは「ナンセンス」に見える製品なら、おのずと効果は知れたものだと。筆者はダイソン製品は好まないが、若き日のダイソン氏の考えには大いに共感する。
国産メーカーの低迷が続いて久しい。ブランドや装飾に頼るのではなく、プロダクトデザインの原点に回帰してみてはいかがだろうか。
【脚注】 ※1)ポストモダニズム(建築) 外観をコンクリートとガラスで覆い内部構造をむき出しにした「ポンピドゥー・センター」が有名。
【参考】 ・シャープ公式サイト|KKAA(隈研吾建築都市設計事務所) 空気清浄機:シャープ ・『隈研吾(NA建築家シリーズ02)』 日経BP社 ・『なぜぼくが新国立競技場をつくるのか-建築家・隈研吾の覚悟』 著者 隈 研吾/ 日経BPマーケティング ・『隈研吾物質と建築』 著者 隈 研吾/ エクスナレッジ ・『逆風野郎!-ダイソン成功物語』 著者 ジェームズ・ダイソン/日経BP社 ・『インベンション -僕は未来を創意する dyson-』 著者 ジェームズ・ダイソン/ 日経BP日本経済新聞出版 ・とちぎ未来大使SPECIAL MOVIE 建築家 隈研吾さん編 ・日本らしさ世界にアピール 木で覆う新国立競技場|日本経済新聞 ・amadana株式会社 第19期決算公告 | 官報決算データベース ・株式会社アマダナ総合研究所の情報 | 官報決算データベース ・バルミューダ決算資料 他