旅の楽しみのひとつとして欠かせないのが、その国特有の伝統料理を楽しむこと。日本から見ると地球の反対側に位置するパラグアイでは、スペインと現地グアラニー族の食文化が融合したユニークな料理を楽しむことができる。
とはいえ、パラグアイ料理の情報は日本ではまだまだ少ない。パラグアイに来たものの、言語の問題もあるし、いったい何を食べればいいんだろうと考える人も多いようだ。しかし、伝統料理を楽しむことなしに南米の旅を終えてはもったいない!ということで、パラグアイ在住歴7年の著者が、パラグアイに来たら絶対食べるべき伝統料理を7つ厳選して紹介しよう。
1. チパ (Chipa)
まず紹介したいのが「チパ」。パラグアイ料理の定番で、朝ごはんもしくはおやつとして食されるチーズパンに似た食べ物だ。毎朝各家庭で作られるほか、サッカースタジアムやバス停など、ほぼどこに行ってもチパが売られており、パラグアイ人の生活に深く根差しているのがよくわかる。
焼きたてのチパは、表面がパリッとしていて中はモチモチ。匂いも香ばしく食欲をそそってくれる。ただ、できたてでないと固くなってしまいおいしくないので、買う時はできたてを意味する「レシエン・サリダ・デ・オルノ?(Recién salida del horno?)」と聞いてみよう。
チパの材料に使われるのは、小麦粉ではなくマンディオカ(mandioca)の粉。マンディオカとは、日本ではキャッサバもしくはユッカとして知られるサツマイモに似た植物だ。パラグアイでは「マンディオカよりもパラグアイ的だ(Más paraguayo que la mandioca)」といった表現もあるほど、マンディオカとパラグアイ料理は切っても切れない関係にある。
それもそのはず、マンディオカの原産地はパラグアイと考えられており、パラグアイの伝統料理の数々にこのマンディオカが使用されている。
2. ンベジュ (Mbeju)
マンディオカを使ったもう1つの定番料理が「ンベジュ」。しりとりで使えそうな名前だが、起源はグアラニー語で、マンディオカの粉に塩、チーズ、バター等を加え混ぜ合わせ、フライパンで平たく焼いたもの。チーズの香ばしい香りが特徴的で、これもパラグアイの伝統的な朝ごはんだ。
コシドやマテと呼ばれるパラグアイのお茶と一緒に食べることが多い。値段も安価で屋台では5,000グアラニー(約90円)、レストランでも10,000グアラニー(約180円)程度で注文できる。チパと同じくできたてが一番おいしい!屋台で買う時は、ぜひできたてかどうかを確かめよう。