これは常に天敵に狙われる厳しい野生下では大きなメリットとなるでしょう。
またチームは仲間同士の完全な融合が可能な理由について、「ムネミオプシス・レイディに自己意識をコントロールする脳中枢がないことが関係しているだろう」と話します。
例えば、一つのイメージとして、2人の人間が頭から下の半身を失ってしまい、お互いに体を合体させた場合。
人間には自己意識をコントロールする脳がありますから、合体後も2人の人格が残っており、それぞれに体の所有権があります。
この状態では体の動きが同期せず、一方が「おい、こっちに行くぞ」と言えば、もう一方が「いや、俺はあっちに行きたい」と意思がバラバラに働いてしまうのです。
しかしムネミオプシス・レイディにはそもそも脳中枢がなく、神経系と外部刺激との相互作用による本能的な反射反応によって動いているため、仲間同士のすんなりとした完全なる融合が可能なのだと考えられます。
一方でチームはこの合体が野生下でも起こり得るかどうかを確認できていません。
広大な海では傷ついた仲間同士が互いに近くにいないケースが普通にあるため、実験下に比べて合体は起こりにくいと考えられます。
チームは今後、野生下でも2匹の合体が起こるのか、そして2匹の神経系はどのように融合していくのかを明らかにしたいと考えています。
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参考文献
These Freakish Ocean Creatures Can Combine as One When Injured
https://www.sciencealert.com/these-freakish-ocean-creatures-can-combine-as-one-when-injured