そのヒアリングの結果と、これまで「裏金議員」の記者会見等での説明を基に、「政治資金パーティーでの裏金提供の背景と経緯」「パーティー券販売ノルマは、誰がどのように設定したのか」「裏金の帰属」等を中心に事実解明に取り組んできた。清和会の裏金問題について把握できた事実について私なりの分析を行った上、今後、「裏金議員」が行うべき説明とその評価について私見を述べることとしたい。

自民党本部 自民党HPより

ヒアリング結果に基づく検討 1. 「ノルマの設定」は誰がどのようにして行っていたのか

清和会では、政治資金パーティー券の販売について「ノルマ」が設定され、ノルマ分の販売ができなければ議員側が自分で購入しなければならず、ノルマを超えて販売したら、その分が「還付金(ノルマ超分も清和会側に送金した後に還付してもらう方式)」あるいは「留保金(ノルマ超分はそのまま議員側で留保する方式)」として議員側に供与されるというやり方が、20年以上昔から継続してきた。

このようなやり方について、初当選の際に議員に直接説明され、ほとんどの議員が認識していたようだ。

すなわち、今回の問題のそもそもの原因は、議員側が強く達成を求められる「パーティー券販売ノルマの設定」にあったと言える(「還付金」「留保金」の供与と異なり、議員側がノルマ未達分を購入した具体的事実は確認されていないが、多くの議員が、ノルマ達成義務を認識し、それを前提として動いていたことは間違いない。)。

この「ノルマの設定」というのは、三塚博氏、森喜朗氏が清和会会長だった時代から、会長等の派閥幹部が決定し、パーティー券が配布されるときに、派閥の事務担当者から議員側に伝えられていたようだ。

ノルマは、初当選の際は低く、当選回数を重ねるごとに増えていき、閣僚になると一気に増える。それは、「派閥のおかげで閣僚にしてもらったのだから、その分、派閥に貢献すべき」という考え方による。