では、人間の平均寿命に限界はあるのでしょうか?

過去30年で平均寿命の延びが大幅に鈍化している!「人生100年時代」は来ない

研究チームは、1990年から2019年までの長寿国上位9カ国(日本、韓国、スイス、オーストラリアなど)とアメリカの死亡率と平均寿命の傾向を調査しました。

(2019年までの期間が採用されたのは、新型コロナウイルスによる例外的な影響を排除するためです)

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平均寿命は 19 世紀から 20 世紀前半にかけて急速に延び、その後も続くと予測された。しかし新しい研究ではここ30年の延びが大幅に鈍化していると判明 / Credit:Strategic Marketing and Communications/UIC_Despite medical advances, life expectancy gains are slowing(2024)

その結果、世界で最も長生きな人々の平均寿命は、1990年以降、平均6年半の伸びであることが分かりました。

平均寿命は19世紀から20世紀前半にかけて急速に延びましたが、直近の30年間では延びが大幅に鈍化していたのです。

1990年に一部の科学者は、「それまでの急速な延びが今後も続く」と予想し、多くの人が100歳前後まで生きる「人生100年時代」が来るとさえ主張していました。

しかし、オルシャンスキー氏ら研究チームの最新の研究によると、「人生100年時代」は来ないことになります。

彼らの予測によると、「今世紀中に100歳まで生きる人の割合が、女性で15%、男性で5%を超える可能性は低い」ようです。

この結果を受けてオルシャンスキー氏は、「現代でも医学は猛スピードで進歩しているにもかかわらず、それらは寿命を少しずつ伸ばしているだけであることが証明されました」と述べています。

また、オルシャンスキー氏は、1990年の自身の研究で、「人類の平均寿命は85歳前後であり、限界に近づいている」と報告しており、今回の34年越しの研究によって、その発言の正しさを示したことになります。