そのため、19世紀から21世紀初頭(現在)にかけて、世界のすべての地域で平均寿命が2倍になりました。

例えば、長寿の国の1つである日本では、男性の平均寿命が81歳、女性は87歳と、昔とは比べ物にならないほど長生きするようになりました。

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平均寿命はどこまで延びる? / Credit:Canva

しかし、このようして寿命が延び続けている状況で、疑問が生じます。

「この平均寿命の延びはいつまで続くのか?」というものです。

これは、「人間の寿命の限界はどこなのか?」と言い換えることもできます。

2023年のアメリカ・ジョージア大学(University of Georgia)の研究では、最長寿記録に焦点を当てています。

長寿記録122歳が人間の寿命限界なのか?

その研究では、これまで25年以上、最長寿記録(122歳)が更新されていないものの、「近いうちにそれが更新されるかもしれない」と報告されています。

1910~1950年に生まれた人々は、現在70~110歳ほどですが、第二次世界大戦後の医療の進歩や公衆衛生政策の改善の影響を受けた人々は、さらに人類の最長寿記録を更新する可能性があるというのです。

とはいえ、実際に長らく最長寿記録は更新されていないため、人類の生物的な寿命は限界に近づいている可能性があります。

また、この研究はが平均寿命ではなく最長寿記録に対する調査だったため、ここから「人間の平均寿命の限界」について議論することはできませんでした。

そこで今回、アメリカのイリノイ大学シカゴ校(UIC)に所属するS・ジェイ・オルシャンスキー氏ら研究チームは、複数の大学と共同で、長寿の国に焦点を当て、それらの国の人々の平均寿命が最近どのように変化しているか調査することにしたのです。

実際私たちの疑問は、極端に長生きする人の限界よりも、自分を含め人類全体の平均寿命の限界はどこにあるのか? という方が気になる人は多いでしょう。