以上の結果から、ナディール・クレーターを生み出した隕石落下はチクシュルーブが招いた大惨劇よりはずっと小規模だったものの、落下地点の周辺一帯に生息していた動植物は即死レベルの被害を受けたと考えられます。
つまり、白亜紀末に地球に飛来した”もう一つの隕石”は確かに、恐竜たちの絶滅を推し進めるのに一役買っていたのです。
その一方で、研究者らはこの隕石がチクシュルーブ衝突体より先に落ちたのか、後に落ちたのか、その正確な時期を特定できていません。
そして、なぜ同時期に2つの隕石が地球に当たったのかも不明です。
チクシュルーブ衝突体が宇宙空間で割れて小さな隕石が生じたのか、それとも隕石のクラスターが白亜紀末に飛来して、そのうちの2つが地球にたまたま当たったのか。
この謎の解明にはさらなる調査が必要でしょう。
しかし、落下位置や時期が近いことから、この2つの隕石に何らかの関連があった可能性は高そうです。
恐竜時代を終わらせた「巨大隕石」がどこから来たのか判明!
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参考文献
Five-mile asteroid impact crater below Atlantic captured in ‘exquisite’ detail by seismic data
https://www.hw.ac.uk/news/2024/five-mile-asteroid-impact-crater-below-atlantic-captured-in-exquisite-detail-by-seismic-data
Asteroid that eradicated dinosaurs not a one-off, say scientists
https://www.theguardian.com/science/2024/oct/03/asteroid-that-eradicated-dinosaurs-not-a-one-off-say-scientists