This requires developing a separate market for long term contracts that is compatible with attracting investment consistent with the integrated resource portfolios that are increasingly being defined by government policy makers rather than market incentives. Once in the market, these resources would operate based on market incentives in reformed hourly and real time energy and ancillary services markets.

ハイブリッド市場の概念は、ジョスコウ教授以外にもフランスのパリ・ドフィーヌ大学の研究者の論文(Roques & Finon(2017)等)でも2017年頃から言及されていました。そして、EUと日本ではこのモデルの実装が最近始まりました。

それ以外では、カナダのオンタリオ州ローカルのグローバル・アジャストメントと呼ばれる仕組みがハイブリッド市場に該当しますが、こちらは20年近くの歴史を刻んでいます。

6. EUにおけるハイブリッド市場

EUにおけるハイブリッド市場は、発電事業者と政府との間の差額調整契約(CfD:Contract for Difference)という形で実装されます。

一般的にCfDは、物理的な電気のやり取りはスポット市場などを通じて行われる一方で、売り手と買い手が事前に合意した権利行使価格(ストライク・プライス)と市場価格の差額を事後に精算することにより、売り手と買い手双方が市場価格の変動リスクをヘッジするためのものになります。

以上の一般論に対し、ここで言うCfDは、発電事業者と政府間の契約になります。CfDにより、政府はストライク・プライスによる収入を保証することを通じて、発電事業者を支援します。その前提として、政府は何らかの方法でCfDによる支援の対象となる電源を選定することになるわけで、このプロセスがハイブリッド市場におけるCompetition for the marketに相当します。