人気SFアニメーション『ガンダム』シリーズの主人公の一人であり、ダントツの人気を誇るシャア・アズナブル。彼に理想のリーダー像を重ねる人は多いかもしれません。
では、果たして彼は本当に優れたリーダーなのでしょうか。
シャア・アズナブルとはガンダムの世界で、宇宙という未知の環境で進化した人類は、時間や空間、果ては生死の境界を越えて物事を捉えられる認知能力を身に付けます。
その新人類は「ニュータイプ」と呼ばれています。
ガンダムシリーズでは、多くの登場人物がニュータイプとして覚醒するものの、非業の死を遂げ、人類の未来の可能性を見せつつも、結局その力で世界を変えることはできないまま。その壮大な歴史ドラマのシリーズは現在もなお続いています。
ストーリーの発端となる最初のニュータイプの一人がシャア・アズナブルです。
彼も例にもれず志半ばで命を落としますが、ニュータイプの定義によれば、その魂は生死の境界を越え、全てのニュータイプたちとつながっているということになります。したがって、肉体は滅んでも、彼らは会話が可能です。
今回は、シャアと同じくニュータイプであり、シャアのかつての部下そして恋人であったララア・スン(故人)が識学を学び、識学理論を元にシャアとリーダー論を語るという設定で、シャアのリーダー像を詳らかにしていきます。
天才には特別扱いが必要なのか「ララアは最近フラナガン研究施設の識学研究所で識学についての訓練を受けたと聞いた。相変わらずララアは真面目だな」
「大佐、私は大佐のお役に立ちたいだけです。独りぼっちだった私を救ってくださった恩に少しでも報えればそれが一番の幸せです」
「ふふふ。ララアはいつか私の上に立つ存在になる。私は真面目にそう思っているのだ」
「大佐は私をかいかぶりすぎです。でも、まんざらそうでもない、いやむしろそうだった方がよかったかもしれませんわ」
「(おや、どういうことだ?)そうか。じゃあララアの意見を聞かせて欲しいな」