5年前の拙稿2本を読み返し、改めて思う石破氏を評価できない理由

とうとう石破茂総理大臣が誕生する。9月27日に行われた自民党総裁選で勝利したからだ。政権与党の代表が総理大臣になるのが我が国の慣行である。「とうとう」としたのは、石破氏が6度目の挑戦だったことでもあるが、「残念ながら」という筆者の落胆の意を表したかったからだ。

筆者は19年3月と9月に石破氏のインタビューとブログを読み、本欄にそれぞれに対する異論を2本、すなわち「石破先生のこのお話ってどうなの?」と「『韓国の悲劇』とドイツの戦後賠償:石破茂氏に異論あり」と題して投稿した。

テーマは1本目が「安倍首相は喧嘩腰?」「北方領土」「(人材登用について)国民に対して丁寧に説明するプロセス」「石破4条件」であり、2本目が「韓国問題」「ドイツの戦後補償」である。どれも、筆者には石破氏のお考えが余り深くない様に思われた。

韓国『東亜日報』は9月30日、早速「『空気を読まない』石破氏、岸田氏より難しい」との記事を掲載した。が、石破氏は朝鮮半島に宥和的であるはずだと、筆者は思う。そんなこともあり、この機会に再掲載をお願いした次第。(2019年9月1日の記事の再掲載)

閣僚や自民党三役を歴任した大政治家である石破茂氏のブログ「日韓GSOMIA、訪印など」に、一介の在野のディレッタントが異論を述べるなど真に畏れ多いことだが、そこは懐の深い石破氏のこと、笑ってお許しをいただけると思う。

Wikipediaより:編集部

筆者が引っ掛かったのは以下の二ヵ所だ。

日本と朝鮮半島の歴史、特に明治維新後の両国関係を学ぶことの必要性を強く感じています。日韓関係については、前回ご紹介した碩学、故小室直樹博士の「韓国の悲劇」が最も読みやすく・・

我が国が敗戦後、戦争責任と正面から向き合ってこなかったことが多くの問題の根底にあり、それが今日様々な形で表面化しているように思われます。・・ニュルンベルグ裁判とは別に戦争責任を自らの手で明らかにしたドイツとの違いは認識しなくてはならないと考えます・・