――まず私たちからすると火山学ってかなり特殊な分野で、高校生くらいまでの間に触れる機会ってほとんど無いと思うんですね。

なので火山学者ってどういう人がなるんだろうっていう疑問があるんですが、石塚さんが火山学者になろうと思ったきっかけって何だったのでしょう?

石塚: 大学では地質学を専攻していました。4年生に進学する時に、火山をやっている研究室に進みました。

火山の研究に進んだきっかけは2つあって、1つは単純に山が好きだったからです。

もう1つは、当時、雲仙普賢岳が噴火していた時に、大学の先生が現場に行かれていて最新の情報を講義で話してくれたんです。その話しが非常に興味深くて、この先生がいたというのが火山の研究室に進んだ理由ですね。

―― 先生の存在が大きかったんですね。

石塚:先生の存在は、いろんなところで皆さんそうだと思いますが、大きいと思います。

学生っていうのはまっさらですから、面白い講義をされるとか、学生と深く付き合ってくれる先生と出会うことで、染まっていく部分があると思います。

―― 学生時代にフィールドワークに行かれたことはありますか?

石塚: 4年生から卒業研究を始めて、私は北海道の利尻山をフィールドに選んで、ずっとフィールドワークをやっていました。

―― 火山のフィールドワークでは、登山のテクニックが必要だと思うのですが、石塚さんはもともと登山がお好きだったということで、そこまで苦労はなかったんでしょうか。

石塚:私の場合は、学部の若い頃に、山スキー部の団体に入っていまして、真面目な授業にはあまり出ずに、ずっと山を登っていました。

学生としてはあまりよくなかったかもしれませんが、登山の技術は身につきましたね。

――他の火山研究者の方もそういう方が多いですか?

石塚:相対的にみれば、火山研究者には山系団体出身者が多いですね。

しかし昔は公務員試験を受けて入省し、先輩から実地で訓練を受けるルートもありました。