筆者の論は、「千島列島に含まれない日本固有の領土は日本に返還されるべきだし、日本固有の領土に歯舞・色丹が含まれるのは明らかだ。が、国後・択捉もそうだというには議論の余地がある」というもの。つまり歴史的にも国際法上もそう単純でなく、だからこそ交渉が長期化しているとの考えだ。日ソ中立条約破りの件も今さらで、日露戦争や真珠湾での奇襲を言い返されるだけだろう。
国民に対して丁寧に説明するプロセス次は安倍総理の人材登用、石破先生はこう述べておられる。
小泉総理は、誰を起用するかについて、好き嫌いや、派閥の理論ではなく、小泉内閣のために誰が「使える」か、という視点で判断されたんだろうと思います。安倍総理も、もちろん内閣の布陣は適材適所で選んでおられるでしょうし、今の日本に最もふさわしい人材を用いているのだと思いますが、それを国民に対して丁寧に説明するプロセスがもう少しあってもいいのではないかと思います。
内閣の布陣について総理は適材適所かまたはそれに類することの他は語る必要がないと筆者は考える。国民に対して丁寧に説明するプロセスも必要ない。その種のことが要るとすればそれは組閣の時と大臣の失言やミスがあった時に違いない。が、前者は予防線張りと、また後者は弁解と受け取られよう。それをすべきと考える感覚自体がどうかしていまいか。
さて、以上は見解の相違の類であっていわばどうでも良い話だ。が、これだけはそうはいかない。それはいわゆる「石破四条件」だ。国民に対して丁寧に説明するということなら、国民の多くがこの件で石破先生がまだそれをなさっていないことに大きな不信感を懐いていることのご自覚がないらしいので、ここで申し上げておきたい。
石破四条件の中身は筆者も一家言ある。が、それは先生も述べておられる通り閣議決定を経たものなのでここでは措く。問題は中身ではなくて2015年7月10日(閣議決定の10日後)に行われた「全国獣医師会事務・事業推進会議」の議事録にある北村直人日本獣医師政治連盟委員長から活動報告だ。以下にかつて獣医師会のサイトにアップされていた記事を2本引用する。(太字は筆者)