今回、アマニサフワット氏ら研究チームは、100人の大学生を対象に、自己主張トレーニングがどのような効果をもたらすのか調査しました。
まず参加者たちを、トレーニングを施すグループと、トレーニングを施さない対照群に分け、前者には訓練を受けた臨床心理学者のもと、1週間に1回90分の自己主張トレーニングを計10回施しました。
この自己主張トレーニングは、感情調整や人間関係の問題に苦しんでいる人をサポートする心理療法「弁証法的行動療法(DBT)」を発展させたものです。
これにより参加者たちは、感情をコントロールする方法、対人関係における問題解決の方法、適切な自己主張の方法などを学びました。
そして両方のグループに対して、自己主張のスキルレベルと、ストレスや不安レベルの関連性を調べました。
この調査には、メンタルヘルスと自己主張のスキルを調べる質問票「Rathus Assertiveness Schedule (RAS)」、抑うつ、不安、ストレスを測定する尺度「Depression Anxiety Stress Scales -21(DASS-21)」などが用いられました。
その結果、研究チームの予想どおり、10週間の自己主張トレーニングを受けた人は、受けなかった人と比べて、ストレス・不安・抑うつのレベルが大幅に改善しました。
つまり、学生たちは適切な自己主張の方法を学び、それを学校で発揮していくことで、より幸せな生活を送ることができたのです。
このトレーニングの効果は、学生たちが職場で働き始める時にも良い影響を及ぼすことでしょう。
また学生だけでなく、既に社会の荒波にもまれている人々にも、適切な自己主張の方法を学ぶことは大切だと考えられます。
しかし適切な自己主張とはどういうものなのでしょうか? 自己主張が上手くできずに悩んでいる人はどのようなポイントに注意すれば状況を改善できるのでしょうか?