良い攻撃をできていたなかでの2失点。湘南としては落胆に繋がりかねない試合展開だったが、FW鈴木章斗が反撃の狼煙を上げた。

前半アディショナルタイム、鹿島FW鈴木優磨がセンターサークル付近で速攻の起点となろうとしたところ、同選手から湘南センターバック鈴木淳之介がボール奪取。この直後に湘南DF畑大雅が鹿島の最終ライン背後へスルーパスを送ると、これを受けた鈴木章斗がペナルティエリア内でシュートを放ち追撃のゴールを挙げている。この1点が湘南に活力をもたらした。

勝ち点奪取への気運が高まった湘南の山口智監督は、前半にイエローカードを貰っていた鈴木淳之介を後半開始前に下げ、DF松村晟怜を投入する。同18分には長身かつ機動力も高いFW根本凌を投入し、自軍の反撃態勢を整えた。

後半開始前に投入された20歳の松村は、同13分に最前線から中盤へ降りてきたFW福田への縦パスを成功させ、速攻の起点に。これ以外でも鹿島のハイプレスに臆しないボール保持を見せるなど、湘南の新たな若手DFは躍動した。

根本が投入された後半18分以降、湘南はサイドへ流れた同選手や鹿島のサイドバック背後へのロングパスで局面打開を図る。この攻撃が威力を発揮した。

迎えた後半20分、湘南DFキム・ミンテが鹿島の最終ライン背後へロングパスを送り、このこぼれ球をホームチームが敵陣で回収する。この直後に湘南が鹿島のペナルティエリア手前で小気味良くパスを繋ぐと、平岡のラストパスを受けた畑が同エリア左隅からシュートを放ち、同点ゴールを挙げた。

この2分後にも、湘南DF大岩一貴のロングパスが鹿島サイドバックの背後あたりに到達したことで、ホームチームがチャンスを迎える。ロングパスのこぼれ球を小野瀬が回収し、その後根本と福田によるパス交換で鹿島の左サイドを攻略。根本のラストパスを受けた福田がペナルティエリア内で抑えのきいたシュートを放ち、勝ち越しゴールを挙げた。