ビジネス
2024/10/07
【現地レビュー】便利すぎてやめられない?注文から“10分”で日用品が届く、インドのクイックコマースの実情
正直、最初は「本当にこんなに早く届けてもらう必要があるのだろうか?」と半信半疑だったが、一度その利便性を体験すると、もうやめられない。クイックコマースは、消費者の日常生活を変えるポテンシャルを持つサービスなのだ。
急成長とともに課題も浮き彫りに
もちろん、クイックコマースには課題もある。
その最大の問題の一つが、配送員への過剰なプレッシャーだ。短時間の配送を求められるため、多くの配送員がスピードを重視した危険な運転を行い、結果として交通事故が増加するリスクが高まっている。
確かに、筆者の近所でもクイックコマースの配送員が交通ルールを無視して急ぐ姿がしばしば目撃される。これにより、配送員の安全性はもちろん、街の安全性の低下にもつながる可能性がある。深刻な問題だと言えよう。
また、クイックコマースの急成長は、インドの伝統的な小規模小売店である「キラナストア」にも影響を及ぼしているという議論もある。これまで地元の顧客を支えてきたキラナストアが、クイックコマースの台頭により売り上げを奪われ、地域経済や雇用に負の影響を与えているとの指摘だ。
このように、クイックコマースの利便性の裏には、配送員の安全や地域経済への影響といった新たな課題が浮上している。今後の成長においては、これらの問題への対応が求められるだろう。
新規参入で競争激化、さらなる進化に期待高まる
課題もある一方で、インドのクイックコマース市場はさらなる拡大が期待されている。最近、業界第3位のZeptoが6億6,500万ドルの資金を調達し、2025年3月までにダークストアの数を2倍以上に増やす予定だというニュースも報じられた。
さらに、世界的な企業であるAmazon Indiaと、そのライバルであるFlipkart(フリップカート)も最近インドのクイックコマース市場への参入を果たした。両者ともに既存の強力な物流ネットワークと幅広い顧客基盤を武器に、この市場でのシェア獲得を狙っている。
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