Googleがアメリカ発の掲示板型SNSサービス「Reddit」とライセンス契約を結び、Redditのユーザーが投稿したコンテンツをGoogleのAIモデル学習に利用できるようにした動きは、まさにAIビジネスにおける新たなデータの収益化の事例だと言えるだろう。

Michael氏はAI全体における決済の役割について、「将来的にはAIエージェント同士がデータアクセス用のAPIに課金したり、現実世界で支払いをし合ったりと、AIによる支払いシステムの構築に非常に大きな貢献を果たすと考えている」と話した。

Lightning Labsでは、2023年に開発者向けのAIプロダクト開発ツール「LangChainBitcoin」をリリースしている。

ライトニングと統合してマイクロペイメント(少額決済)による従量課金APIや、AIエージェント同士によるデータのやりとりが可能となり、AIのデータ領域への応用が進んでいけば、新たなビジネスチャンスが生まれるだろう。

ユーザー体験とセキュリティの保証は完全に異なる

他方、別のセッションではビットコインエコシステムを代表するBlueWallet Co-Founder/Lead DeveloperのIgor Korsakov氏、Bitcoin Keeperを運営するBitHyve CEOのAnant Tapadia氏が登壇し、ビットコインを失わないための「鍵管理の鉄則」について議論が交わされた。

暗号資産を管理するうえでは、財布のような役割を果たすWallet(ウォレット)が必要不可欠となっている。暗号資産の所有者であることを証明する暗号コード(文字列)が「秘密鍵」であり、BlueWallet とBitcoin Keeperはユーザー自身が秘密鍵を保管する「ノンカストディアルウォレット」となっている。

Igor氏は「鍵を管理する最も重要なものはウォレットだが、『セキュリティにはスペクトラムがある』ことを理解しておく必要がある」と語った。