Michael氏は前職のGoogleにて、プロダクトやマーケティングなど約5年間にわたってさまざまなチームに携わっていた。2021年にLightning Labsへ入社し、現在はHead of Product Growthとしてプロダクトの成長に寄与している。

冒頭では、「ビットコインとライトニングが決済インフラにおいて重要な役割を果たすユースケースを作ることの重要性」について触れた。

ライトニングでコーヒー代を支払う例は昔からある。ビットコインが「価値の貯蔵手段」から「交換手段」へと移行していくなかで、成長著しいAI産業に目を向け、新しいテクノロジーを取り入れながら価値提供することが求められているのだ。

そしてOpenAIがChatGPTを発表して以来、急速にAIソリューションが普及しており、今も現在進行系でAI技術は進化している。

「AIエージェントは、複数のステップを経て論理的かつ瞬時にタスクを実行できます。たとえば、東京で一番美味しいラーメンを尋ねると3つのお店を教えてくれる世界から、飛行機のチケットやホテルのレストランを予約してくれる世界になると、『支払いのインフラ』が必要になってくるでしょう。

今後10年間に、AIが世界経済に与える影響は1兆ドルから5兆ドル程度になると予測されています。この巨大な産業の中で、ビットコインとライトニングがどのような役割を果たせるかを考えることが大事だと言えます」(Michael氏)

AI時代におけるビットコイン決済の未来

一方で、演算・アルゴリズム・データの3つの要素で構成されているAIの機械学習モデルにおけるコストは非常に高価であり、先行投資が必要となる。AIについて考えるとき、GPUの価格やエネルギー消費量が高いことはもとより、AIモデルのトレーニングには多くの時間と労力を要するわけだ。

こうしたAIモデルの精度がより高度化していくことで、「どのようなデータにアクセスできるか」が、今後のビジネスにおける差別化要因になるとMichael氏は述べた。