18世紀後半、ドイツのフランツ・アントン・メスメル医師が提唱したメスメリズムを発展させる形で開発された催眠術。19世紀以降、催眠術は一般市民の間にも浸透し、世界各地で多くの人が実験や実践を繰り返してきた。医師の中には、催眠術を麻酔代わりに使用する者もいたほどだ。ここ日本でも一時期大流行を見せた催眠術だが、時には事件の引き金になることも……。今回は、実際に行われた信じられない催眠術5選を紹介しよう。

■子ども相手に集団催眠

 1912年にドイツ・ベルリンで、1人の男性教員が子ども相手に集団催眠を実践した。彼は常日頃から、労働者階級出身の子どもは大声で無礼な上、扱いにくい生徒だと考えていた。そこで、興味があった催眠術を大勢の生徒に試すことにしたのだ。生徒たちは授業終了時に催眠状態から解放されたものの、中には催眠術にかからなかった生徒もいた。そして、異変に気づいた生徒数人が親に催眠術のことを明かしたことで男は逮捕され、懲役10日間の実刑が下されたという。