前述したように、今回の総裁選では、候補者やその陣営に対して「カネのかからない選挙」にするためにルールが設定されたもので、支援者に対して適用されるルールではない。
しかも、「石破陣営が費用を負担しているのではないか」というのが全くの憶測であることを須田氏自身も述べており、そもそも「党員・党友であれば何人でも無料で」という点も、引用しているLINEにはない。それであれば、たとえ公選法が適用される選挙であっても、候補者側の責任が問題になる余地は全くない。
そもそも、このような「大阪での支援者の会」を「緊急配信」「候補者の秘密」などと取り上げること自体が、凡そ理解し難い。
ネットの世界での単純化須田氏の動画は、全く中身のない単なる印象操作に過ぎないが、その動画が高市支持者に拡散される間に、あたかも石破陣営が高市氏のリーフレット郵送問題以上に露骨なルール違反を行っているかのように単純化されていく。
特に露骨なのは、門田隆将氏@KadotaRyushoだ。
門田氏は、須田動画のLINEを一部引用し、
《何の問題もない高市早苗氏の国政報告に対して虚偽情報をバラ撒いた石破茂陣営。大阪でも9月18日「党員であれば、誰を何人連れて来てもOK、突然参加も可、という会合を開いた。いくら公選法適用外でもやり方が露骨すぎる」と他陣営から非難噴出》
などと、候補者陣営が総裁選での饗応工作を行ったかのように単純化して印象操作している。そして、フォロワー50万人を超える門田氏の投稿がさらに拡散され、あたかも、石破陣営は総裁選のために大阪の高級中華料理店で多数の党員・党友に饗応を行った事実があり、高市氏の総裁選ルール違反を問題にする資格がないかのような印象を与えている。
候補者自身が、相当な資金をかけて「国政だより」を党員に大量配布した高市氏の問題と、支援者が主催した会食に限られた時間参加しただけの石破氏とは全く問題が異なるのであり、高市氏の行為を擁護・正当化する理由には全くならない。