須田慎一郎氏は、「虎ノ門ニュース」と称するYouTubeチャンネルで【※削除覚悟※ 須田慎一郎さんが自民党総裁選のある候補の秘密を掴んできてくれました】と題し、「緊急生配信」と大きな赤文字の下に「あの総裁選候補の秘密 遂に掴みました」などと記載した目立つサムネイルを付けた動画を配信している、

石破氏の支援者が大阪の中華料理店で開いた会について、討論会で大阪に来た石破氏が1時間余り会に参加すること、知人も誘って参加できるとされていることなどがわかるLINEのやり取りなどを示し、「党員・党友なら」「無料で参加できる」などとLINEには書かれていないことを付け加えている。

石破陣営が、「カネのかからない総裁選」のルール違反行為を行っている例であるかのように述べ、それを「緊急配信」「秘密を掴んだ」などとし拡散している。

しかし、LINEのやり取りを見る限り、単に、支援者が開いた集会に石破氏が短時間参加しただけの話であり、少なくとも石破氏やその陣営の側の問題ではない。

それだけであれば、何の問題もないことは、須田氏も認識しているようで、「その費用を石破陣営が出しているのではないか」「全国で同じようなことをやっているのではないか」などと「全く根拠のない憶測」を遠慮がちに述べているだけだ。その動画の内容に問題があることを自覚しているからこそ、タイトルに「削除覚悟」という言葉を入れているのであろう。

敢えて「公選法のルール」を持ち出した場合

このような高市支持者による石破氏に関する指摘について、「公選法が適用される選挙であれば違反になるのではないか」、と思う人もいるようだ。「たとえ支援者が開いた集会だとしても、飲食が提供されるのは問題ないのですか?しかも聞けば結構な高級店みたいなのですけど。会費制なら問題ないにしても、無料だったみたいですから。」との投稿もある。

確かに、公職選挙であれば、支援者が特定の候補者を当選させる目的で有権者を饗応した事実があれば、公選法違反になる。しかし、それは、あくまで「当該支援者の行為」であり、その行為者である支援者が公選法違反に問われるだけだ。候補者側にも責任が及ぶのは、候補者自身や連座制の対象者が饗応に関与していたり、その資金を提供した事実があった場合だ。