recep-bg/iStock

近年、日本の経営者から「もっと働きたい人は好きなだけ働けるようにもっと規制緩和してほしい」という声が出ています。

【参考リンク】「日本人滅びる」論争、柳井氏発言に賛否 前沢氏、三木谷氏らが見解

以前はエイベックスの松浦さんも同様のことを言っていた記憶があります。

これ、顔出しで問題提起する人以外にもすごく多いです。経営者の半分くらいはそう考えているような印象もあります。

ただ、人事制度というアングルから眺めると、また別の風景も見えてきます。

はたして規制緩和すれば日本人はまた高度成長期のようにバリバリ働くようになるのか。そもそも、日本人のやる気をそいでいるものとはなんなのか。

いい機会なのでまとめておきましょう。

経営者が「規制のせいで社員が自由に働けない」と考えるメカニズム

結論から言えば、後述するように規制がホワイトカラー的な働き方を阻害しているというのは事実です。むしろ真面目に効率的に働くほど損をする仕組みになってしまっています。

ただ、現実問題としては人事制度の欠陥の影響の方が非常に大きいというのが筆者のスタンスです。

これまでもたびたび言及してきましたが、日本企業の年功序列制度では、出世競争はだいたい40歳前後で終了します。

そこから部長→本部長みたいに出世競争が続く人ももちろんいますが、それは非常に少数派で、大半の人間は打ち止め。

頑張っても頑張らなくても大して給料が変わらないことが常態化します。ちなみに筆者はその状況を“消化試合”と呼んでいます。今の中日-ヤクルト戦みたいなもんです。