日本人ではないアウトサイダーの視点からすると、日本は最先端で極めてイノベーティブな国です。細部までこだわりがあり、精細で、エンジニアリング指向といった特性とテクノロジーへの注力が、多数の日本ビジネスのイネーブラーとして機能しています。日本はとてもエンジニア魂のある技術中心な国で、極めてイノベーティブなDNAがまだまだ存在していると思いますよ。

今後、テクノロジーが果たす役割はいっそう重要になり、最終的にはAIがポジティブな形で日本に変革をもたらすはず。現在人間が行っている付加価値の低い作業の多くは、いずれはAIに任せられるようになって、高齢化が進んでも国として十分機能するでしょう。ですから、人口が若くて拡大中かどうかは私にとってはあまり重要ではないのです。

今後重要になってくるのは、テクノロジーの導入と活用により国や企業が自己のポテンシャルを最大限発揮するための努力です。日本は当社の技術や事業とパーフェクトマッチな国なんですよ。

――昨今、技術力では他国に追い抜かれてしまったとして大きな危機感を指摘する声もありますが、ポテンシャルを最大限発揮していくための努力は重要ですね。
Hansen:過去20年間にわたってグローバルな立場で世界中を旅してきた経験からすると、日本はテクノロジーの導入と活用の面で進んでいる国の一つであり、英米、オーストラリア、韓国、北欧、ベネルクスと同じカテゴリーに入る国です。

日本支社は、Amplitudeの成長戦略の一環として設立されました。ボストンのMITで共に学んだ3人の青年によって設立された当社はまだ十数年の若い企業ですが、今では世界各地に支社を構え、全世界で750人の従業員がいるグローバル企業にまで成長しました。また、3年前からNASDAQ上場企業でもあります。

上場企業として若きCEOとともに目指す目標とは

――IPOの話が出たので質問ですが、Amplitudeで達成したい目標はありますか?過去に複数の企業を上場へ導いてきたHansenさんが、上場済みのAmplitudeではどんな景色を目指すのかなと。
Hansen:事業スケーリングという私の特技を生かして、自分の入社時に2億5,000万ドルだった売り上げを10億ドルに、さらにはそれ以上に拡大するつもりです。設立者兼CEOであるSpencer Skates(以下、スペンサー)と共に、楽しみながら取り組んでいますよ。