いずれにせよFRBと日銀の政策会議が終わり、明白になったのは当面の向かう方向ははっきりしたということです。FRBは利下げサイクルに入り一定ペースで金利は下げる、一方の日銀は折を見て利上げを引き続き試みるが、年内は12月にもう一度できれば御の字という感じかと思います。つまり向こう2か月程度は安泰であります。アメリカの大統領選の影響度はいずれ一定程度織り込むとみています。今のように全く予想がつかない場合、市場では結果が出てもサプライズ感がないために比較的落ち着いたものになるとみています。
総裁選、国家元首に必要な才能とは何だろう?一国のトップに何を期待しますか?岸田首相は〇〇会議や〇〇委員会など様々な会合の中心となり、政策案件を主導してきました。テレビニュースで日々報道される岸田首相の忙しそうな様子に疑問を感じた方はいますか?私はおかしいと思っています。なぜ閣僚がずらりと並んでいるのに様々な会議のトップを首相が勤めなくてはいけないのでしょうか?官邸主導と言いたいのでしょう。でもそれは本質的にはおかしいのです。雑な言い方ですが閣僚なりに任せられないということです。うがった見方ですが、首相は自分の意のままに会議を主導したい、つまり誰かに任せると期待した結果が得られないから官邸が推し進める、でしょう。つまり官僚との闘いとも言えます。
日本国民は独裁者の下で支配されることを決して良しとは思っていないのにメディアは「首相の指導力不足!」と書き立てます。指導力と独裁は違うのですが、強いリーダーシップとカリスマと言い換えれば紙一重なところもあります。そして今回の総裁選で見えたのは思った以上に候補者の考え方がバラバラだという点です。しかもこれだけ論戦を重ね、その言質を取られると後々「お前、あの時ああ言ったな、だからお前はポストにはつかせない」となり、お仲間人事が横行しやすくなるのでしょう。次の総裁もリーダーシップが必要な才能ということには異論はないのですが…。