また、実験室を離れた後から11時間後までのグルコース濃度は、100%オレンジジュース条件がオレンジドリンク条件のみならず、水条件よりも低くなっていました。

100%オレンジジュース(■)、オレンジドリンク(▲)、水(●)を摂取し、昼食をとった後の間質液中のグルコース濃度
100%オレンジジュース(■)、オレンジドリンク(▲)、水(●)を摂取し、昼食をとった後の間質液中のグルコース濃度 / Credit: Robayo et al. Effect of 100% Orange Juice and a Volume-Matched Sugar-Sweetened Drink on Subjective Appetite, Food Intake, and Glycemic Response in Adults. Nutrients (2024)

これらの結果から、研究グループは、昼食の前に100%オレンジジュースを飲むことは、オレンジドリンクを飲むよりもその後の摂取カロリーを抑え、血糖値も低くなるとまとめています。

そして、100%オレンジジュースとオレンジドリンクの反応の違いの一因としては、オレンジジュースには、血糖値の上昇を抑える働きを持つポリフェノールが含まれることが関係している可能性があると考察しています。

今回の結果は、血糖値が気になる人はもちろん、ダイエットをしたい人にも興味深い結果であるものの、あくまでも飲料を1回飲んだ際の急性影響を見たものであり、習慣的に飲み続けた際の慢性影響については不明です。

また、一口に「その他の飲料」と言っても、各飲料の中身は商品によって様々な上、世界保健機関の指針のとおり、100%ジュースであっても過剰に摂取することは健康に望ましくない影響を与えるでしょう。

したがって、今回の研究結果をもとに、オレンジジュースはダイエットに良いと解釈するのには無理があります。

その一方、この結果は、普段私たちが何気なく手にしている飲料であっても、その選び方によっては、その後の食事量にまで著しい影響を与える可能性があると解釈することは出来るでしょう。