対象者は最低5日間の間隔を空けながら、次の3種類の飲料条件のトライアルにランダムに参加しました。
・100%オレンジジュース条件(105.6kcal)
・オレンジドリンク条件(119.1kcal)
・水条件(0kcal)
※全て240ml
このうち、オレンジドリンク条件の飲料を調べたところ、炭酸飲料(オレンジソーダ)で、砂糖類は含まれている一方、果汁が含まれていない商品でした。したがって、この研究におけるオレンジドリンクは、日本で言う「その他の飲料」になります。
実験では、対象者は午前8時に実験室に来て、まず同じ朝食を食べて、その2時間後に、指定された飲料を飲みました。
飲料を飲んだ直後から1時間後まで血糖値を測り続けた上で、60分後にピザを昼食として食べました。この際、研究グループは、ピザの量は規定せず、参加者に対して、「心地よく満腹を感じるまで」食べるように促しています。
また、昼食後は実験室を離れることが許されましたが、その日の残りの時間帯に摂取した飲食物が記録されたとともに、CGMデバイスを装着することで、血糖値に関するデータ(間質液中のグルコース濃度)が計測されました。
このような実験の結果、飲料摂取から60分後の昼食や1日合計の摂取カロリーは、100%オレンジジュース条件の方がオレンジドリンク条件よりも少ないことが分かりました。
また、有意差こそなかったものの、100%オレンジジュース条件は水条件よりも摂取カロリーが低い傾向もありました。
具体的な数値は以下の通りです(数値は平均値)。
■昼食の摂取カロリー
100%オレンジジュース条件: 1151kcal
オレンジドリンク条件: 1269kcal
水条件: 1240kcal
■1日を通した摂取カロリー
100%オレンジジュース条件: 2717kcal
オレンジドリンク条件: 3137kcal
水条件: 2975kcal
そして、興味深いことに、飲料に含まれる糖質の量を考慮しても、各飲料を飲んでから1時間後までの血糖値の上昇度合いは、オレンジドリンク条件よりも100%オレンジジュース条件で小さいことが分かりました。