小学生のうちからそんなにゲームばかりしていて大丈夫なのかと心配していたら、やはり学力は低下傾向にあるようだ。この対策として、フィンランドの教育文化省は現在、スマホの使用制限に関する法律案を準備している。 楽しいゲームだからこそ、みんな没頭してしまうのだろうが、勉強と遊びの両立を心がけたいものだ。

こうした“規制”の議論もなされているゲーム市場だが、世界的にみると売上高は回復傾向にある。「Global Games Market Report 2023」によれば、2023年の世界のゲーム市場規模(売上)は約28兆円超と推計されている。

超ヒット作「Hill Climb Racing」を生んだフィンガーソフト

今回、フィンランド人なら誰もが聞いたことがあるであろう超ヒットゲームHill Climb Racing & Hill Climb Racing 2を開発した、オウル市にあるフィンガーソフトの本社を訪問した。

フィンガーソフト本社。会社が補助金を出して電気自電車の購入・通勤を奨励している(筆者撮影)

海に面した市場のすぐそばに、フィンガーソフトの本社がある。2012年、オウル市に隣接する小さな町の一軒家でワンマン会社として立ち上がった同社は、ここ12年の間に売上高2,400万ユーロ、利益率10%を達成し(共に2023年度)、いまや116名のスタッフを抱えるゲームソフト会社に成長した。スタッフの平均年齢は37歳。20か国以上から集まったスタッフがオフィスで楽しそうに働いている。

オフィスドアを開けると右手にビリヤード台、エレキギター、ゲームコーナーがあり、冷蔵庫にはドリンクが常備されている。(筆者撮影)

駐車場からオフィスの中に入ると、右手にカラフルなソファ、ビリヤード台、奥には大型テレビとゲーム機が置いてある。クリエイティブな感性が必要とされる職業だけあって、休憩時間に即興ができる音楽スタジオまで完備されている。