そんなアーセナルはこの夏、4500万ユーロ(約70億円)を投じてDFリッカルド・カラフィオーリを獲得。さらに中盤にはレアル・ソシエダからユーロ2024でブレイクしたMFミケル・メリノを適正価格(3300万ユーロ/約51億円)で獲得。また、2023/24シーズンはブレントフォードからのレンタル移籍だったGKダビド・ラヤを3000万ユーロ(約47億円)で遂に完全移籍で迎え入れた。
そして市場閉幕最終日には、チェルシーのFWラヒーム・スターリングがレンタル移籍にサインし、攻撃陣の選手層を厚くした。
また、FWエディ・エンケティア、MFエミール・スミス=ロウ、GKアーロン・ラムズデールの移籍で8000万ユーロ(約125億円)以上を稼ぎ出し、批判されていた資金調達も効果的に行ったアーセナル。多くのファンが望んでいたストライカー獲得への投資は控え、メリノも移籍早々怪我をしたが、それでもこの夏の移籍市場での勝者であることに疑問を持つものは少ないのではないだろうか。
勝者:パリ・サンジェルマン(リーグ・アン)
今夏、FWキリアン・エムバペをレアル・マドリードに奪われたパリ・サンジェルマン(PSG)は、マーケットでは意外にも冷静さを保ったように映った。
スター選手の後釜確保に奔走するかと思いきや、MFジョアン・ネヴェス(7000万ユーロ/ 約109億円)、MFデジレ・ドゥエ(5000万ユーロ/約78億円)、DFウィリアン・パチョ(4000万ユーロ/約62億円)といった非常に優秀な若手選手に投資した。
また、ルイス・エンリケ監督のスタイルに合わないMFマヌエル・ウガルテを5000万ユーロ(約78億円)でマンチェスター・ユナイテッドに移籍させた。エムバペが去ってチームのイメージが変化する中、移籍戦略においてもPSGの新たな時代が訪れたといえよう。