この要因は、2022年に可決したPromise to Address Comprehensive Toxics(PACT)Act of 2022により、 退役軍事に提供するヘルスケア(VA Health Care)の新規加入者や給付金申請が増加しているからだ。

PACT Actは、戦闘地域での従軍中に有害物質にさらされた退役軍人のための医療サービスを拡大する法律だ。実際、この法律施行により、退役軍事に提供するヘルスケア(VA Health Care)の新規加入者は前年比27%で増加していた※5)。

過去20年間でイラク・アフガニスタンの戦争から帰還した退役軍人数は増えており、 2023年には、退役軍人を支援するプログラムへの支出は総額3,020億ドルに達した。約20年間で5倍の支出に膨らみ、その支出額は連邦政府支出全体の約5%にも相当する。

この支出の約半分は退役軍人とその遺族のための障害補償・年金である※6)退役軍人への医療サービスの拡大もあるが、退役軍人の高齢化に伴う補償・年金支出の増加もあるのだ。

・農業法(the Agriculture Improvement Act)も9月末に期限切れ

農業法(the Agriculture Improvement Act of 2018)の延長期限が9月末に迫っている。両党の溝が埋まらないため、2023年11月に今年9月末まで延長された※7)。

the Farm, Food, and National Security Act of 2024は5年間で総額$1.5兆にものぼる農業法案は、すでに下院農業委員会での委員会採決はクリアしたが、民主党から未だ支持は得られていない。本議会での採決には進めていない。

この法案は、主に栄養補助プログラム(SNAP)と農家への補助金から成り立っていて、民主党と共和党が協力して進めるためにこの2つを抱き合わせて進めてきた法案だ。

主に4つの内容で構成されており※8)、栄養プログラムが支出の約8割を占めている。