また、各州の選挙管理組織は、国土安全保障省が管理するSAVEへのアクセスを許可する条項も盛り込まれる。これにより、各州は投票者に市民権があるかを容易に確認できるようになる。
しかしながら、この SAVE Actは、民主党が反対している。下院可決時も民主党からは1票も入っていない。シューマー上院院内総務も、すでに反対を表明した。
というわけで、いったん下院共和党はSAVE ACTつきの法案を可決して、上院民主党は他のつなぎ予算を可決して一時的には硬直することになるだろう。
少しハラハラする展開もあるかもしれないが、総選挙前なので、どちらの党も政府閉鎖を起こす気はない。議会開会の最終日(9月27日)には最終的に可決するだろう。
ちなみに、1990年以降で総選挙が控えている年に政府閉鎖を引き起こしたことはない。それくらい政府閉鎖が起こる可能性は低いと考えてよいだろう。
なお、歳出削減を強く求める共和党保守のフリーダムコーカスは8月時点で、つなぎ予算を支持する公式声明を発表している。彼らがつなぎ予算を遮ることはない※3)。
② 9月末に期限切れを迎えるその他予算・退役軍人省の予算不足に対処する「the Veterans Benefits Continuity and Accountability Supplemental Appropriations Act」
下院共和党は退役軍人省の予算不足に対処するため、the Veterans Benefits Continuity and Accountability Supplemental Appropriations Actを発表した※4)。
退役軍人省は退役軍人に支払う年金や給付金で約30億ドルを緊急で要請しており、 来年度の裁量医療費としてさらに120億ドルも必要になると。上院退役軍人問題委員会によると、議会が9月20日までに可決しないと、700万人の退役軍人や退役軍人の遺族が10月1日に給付金を受け取れなくなる可能性があるとしている。