文具やオフィス家具を扱うコクヨ株式会社は、「自律協働社会」の実現を目指し、未来社会のオルタナティブを研究・実践するリサーチ&デザインラボ「ヨコク研究所」を2022年に発足しました。

「ヨコク研究所が目指す自律協働社会とは?」「何を研究するの?」といったみなさんの疑問を深掘りすべく、ヨコク研究所の研究員の工藤沙希さんと田中康寛さんにインタビューをしました。

直線的に未来を描けない中で、不確実な未来に対峙する

ーーーお2人のヨコク研究所での活動や研究内容について教えてください。

工藤:2018年にコクヨに中途入社し、2022年のヨコク研究所設立時から立ち上げメンバーとして参加しています。「YOKOKU Field Notes」というプロジェクトでは、アジアを中心とした個別の地域における自律協働の兆しをリサーチしてレポートするほか、「採集」という行為を切り口に非-直線的なプロジェクトのあり方を実践する「GRASP」なども担当しています。

田中:私は2013年にコクヨに入社し、最初の2年間はオフィス環境の改善や効率化に取り組んだプロジェクト「オフィスのチカラ」の企画やマーケティングを担当していました。

その後、ヨコク研究所と関連のある「ワークスタイル研究所」に異動し、現代のワークスタイルを研究中です。2022年にヨコク研究所が設立されてからは、私もその一員となりリサーチ活動に携わっています。

工藤と一緒に「YOKOKU Field Notes」や「GRASP」に取り組むほか、最近では定量的な調査を中心とした研究も行っています。

ーーーヨコク研究所が発足するまでの経緯を教えてください。

工藤:コクヨは和式帳簿の表紙店として創業した1905年から現在に至るまで、メーカー企業としてさまざまな変化を遂げてきました。しかし、かつてのように直線的に未来を描くことができる時代が終わったいま、不確実な未来に対峙するためには、新たな姿勢が必要だと考えるようになりました。