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また、開発元の香港企業NocFreeは、真ん中にできるスペースがノートやコーヒーカップの置き場所、猫の居場所になると訴求している。創業者のSolar Zou氏が起業中に椎間板ヘルニアに苦しみ、そこから分割型のエルゴノミクスキーボード開発につながったそうだ。

近年注目の磁気スイッチ式「K2 HE」は1億3,000万円獲得の大人気

NocFreeのオプション・パームレストが高級感のあるウォルナット製であるように、クラファンでは一部に木材を使ったキーボード製品が人気を博すケースが散見される。

中でもKeychron社の「K2 HE」は、終了まで残り6日の時点で約5,000人の支援者から1億3,000万円近い資金を獲得している大人気プロジェクトだ。Keychronのベストセラー商品であるメカニカルキーボード「K2」をアップグレードしたもので、フレームの両サイドにローズウッドを取り入れたルックスにまず目を引かれる。

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だがじつは、K2 HE最大のアップグレードポイントは見た目ではない。HE (Hall Effect)*磁気スイッチを採用した「マグネティックキーボード」という点だ(※ホール効果。電流磁気効果の一種)。

磁気スイッチは、キー(スイッチ)の底部に磁石が取り付けられたもの。キーが押下されると基板上の磁力が強くなるので、本体側に搭載されたホールセンサーが磁界の変化を検出、文字が入力される仕組みだ。

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磁気スイッチは、アクチュエーションポイント(入力判定される深さ)を自由に設定できるのが最大の特徴。K2 HEでは0.1ミリ単位という精度で設定可能だ。

磁気スイッチ自体は新しいものではないが、オランダのスタートアップWootingが「Lekker」スイッチを2019年に発表、2020年に同スイッチを搭載したキーボードを販売して以来、注目度が高まっている。K2 HEのプロジェクトページでは「磁気スイッチがニュースタンダード」と書かれているほどである。

LED画面付きの変わり種キーボードもプロジェクト成功