(1)日常の楽しい活動において「調和の取れた情熱」を高いレベルで経験している
(2)日常のつまらない活動に対しては「自主性・自発性」を持って取り組むことができる
「調和の取れた情熱」とは?
まず1つ目ですが、心理学分野において「情熱」は次の2つに分けて考えられます。
一方が「強迫的な情熱(Obsessive passion)」で、もう一方が「調和の取れた情熱(Harmonious passion)」です。
「強迫的な情熱」とは、活動に対して向けられる情熱が過剰であり、もはや自分ではコントロールできず、意志と関係なく没頭してしまうような無理のある情熱を指します。
こうした情熱はむしろストレスや不安すらも引き起こしてしまい、仕事に支障が出て、家族や友人関係にも害悪が出る恐れがあります。
これと反対に「調和の取れた情熱」とは、活動に対して向けられる情熱がバランスよく人生全体と調和しているような状態を指します。
要は、自分が取り組む活動に十分な情熱を捧げている一方で、その情熱をちゃんとコントロールできている感覚があり、他の仕事や家族との時間にも悪影響を及ぼさないような情熱です。
どちらの情熱を持つかで幸福感は大きく左右されると考えられています。
つまらない時こそ「自己調節」の力が大事
2つ目の「自主性・自発性」は、心理学分野における「自己調節(Self-regulation)」という考えに含まれます。
自己調節とは、自分自身の行動や感情、思考をコントロールし、目的や目標に向かって自律的に行動するための能力を指します。
この能力は楽しい活動時にも役立ちますが、特につまらない活動や気乗りしない雑務に取り組む上でとても大切な能力です。
例えば、勉強や掃除、雑用など、やりたくもないし、情熱も湧かない作業を「学校や会社の決まりだから」と強制的・義務的にこなすのでは、いつまでもダラダラと続けてしまいますよね。