入社するまでに、以下のような言葉を聞いたら要注意だと思いましょう。

① うちの会社は成果さえ出して貰えれば、給料はすぐ上がるし、あとは君のやりたいことを君が思うようにやることができるよ ② うちの会社は、ノルマもないし、上司と部下の関係もない、フラットな職場だよ

①の発言は、会社側の意向(遠慮しない)が強く、社員側の意向(具体的な配慮)が不明確な状態です。社員の多くは入社後、成果の出し方が分からないまま遠慮ない社長や上司からの指示を仰ぐことになります。できる人はできるけれども、できない人はずっとできるようにならない、そんな殺伐とした職場風景が想像できます。

また、会社には目標があるため、会社の目標を度外視して個人のやりたいことができる会社は存在しません。このような発言が出る会社は、求める社員像が明確ではなく、人が足りないからとりあえず採用しようという発想で動いています。入社後、事前のイメージと異なる仕事に就く恐れがあります。理想は、会社側が求職者に求める仕事の明確なイメージを提示し、その仕事が求職者のやりたい仕事と合致する状況です。

②のノルマや上下関係がないということは、中長期的なゴールをイメージできない会社である可能性が高いです。中長期的なゴールイメージに向かって、会社と社員を成長させるためには、具体的かつ計測可能な目標と、この目標達成のための調整機能としてのヒエラルキー(管理者としての上司)が必要になります。これがないということは、未来に向けての具体的な変化のイメージがないまま現状維持に甘んじている会社か、仕事が個々人の裁量に委ねられていて、組織としての体をなしていない会社のいずれかでしょう。

会社の意向と社員の意向が合致し、配慮と遠慮のバランスが取れていて、かつ会社と社員が同じゴールに向かっているのか。求職者の方はこれらをチェックしてみることをお勧めします。

バランスを取るための組織の仕組みとは

労働環境を整備したり、社員が納得できる報酬や地位を提供したりするためには、会社は遠慮なく社員に不足を埋める行動を促していくことが必要となります。業績が上がらなければ、社員に配慮することなどできないからです。この配慮と遠慮のバランスを取るために必要なものがルールと評価制度です。