残りの半分のうち公費負担(国庫負担+他の公費負担)が約40%を占めていて、あとは資産収入と「積立金」からの受け入れになる。
すなわち、国庫負担は全体の25%程度であり、他の公費負担として地方公共団体(都道府県、市区町村自治体)の負担が10%を超えるくらいになっている。
「社会保障費財源(EU基準)の国際比較(対GDP比)」このような日本での負担割合をいくつかの国と比較したのが図3である。
それは2021年度の「社会保障費財源(EU基準)の国際比較(対GDP比)」であるが、全体としての日本の特徴は対GDP比がやや小さく、比較対照としてのスウェーデンより3.2%、ドイツより6.3%、フランスよりも9.3%に低くなっていた。内訳としても、「事業主拠出」率が他の3国よりも低く、さらに「一般政府拠出」分がフランスやスウェーデンよりも小さいことが分かった。
反面、「被保険者拠出」はフランスやスウェーデンよりも大きく、ドイツに次いでいる。これらは所得税や消費税の比率が異なるので、単純な比較でコメントをすることは難しいが、国家のあり方の事例の一つとして理解しておきたい。
日本語では「国家」で充分これまで「社会支出」「社会保障給付費」そして「社会保障財源」などのデータを使って、「福祉国家」としての日本の現状をいくつかの国との比較によって明らかにしてきた。
ただしデータ分析をした結果からみても、日本の現状は「社会国家」や「福祉国家」とせずに、日本語ではやはり「国家」だけで十分であるというのが私の判断である。
とりわけフランス語の「福祉国家」(État providence)は英語の「福祉国家」(Welfare State)よりも厄介だからでもある。なぜなら、‘providence’は神慮、神の恩寵、救いの神などを意味するからであり、語学的には福祉(welfare)の意味はもちろんない。
「福祉国家」(État providence)は神の恵み(providence)か?