これらのごみパッチに巻き込まれた浮遊プラスチックは、より小さな破片に分解されるまで循環し続けるため、清掃はますます困難になります。
ビニール袋は、アカウミガメの大好物であるクラゲとよく間違えられたり、アホウドリはプラスチックの樹脂ペレットを魚の卵と勘違いしてヒナに食べさせ、その結果、ヒナはやがて餓死するか、臓器破裂を起こすことが生じています。
調査によると、太平洋ごみパッチに渦巻く大規模なプラスチックごみのほとんどは数十年前のものですが、最近生産されたプラスチックは海岸線に近い場所に残っていることが判明しています。
非営利団体オーシャン・クリーンアップの目標は、海に漂うプラスチックごみの90%を除去し、太平洋を「ごみのない海」にすることです。
その最新かつ最も機能的な浄化技術であるSystem-002は、深さ3メートル、大きなUの字を描く浮遊ネット(回収網)で構成されています。
しかし、見過ごされているのは、この回収網を引っ張るために使用される大型船が、かなりの二酸化炭素排出量を持っているということです。
化石燃料を動力源とする巨大な船で海水中の網を引きずることは、大気汚染と気候汚染に拍車をかけることになります。
彼らの環境影響評価報告書によれば、オーシャン・クリーンアップが運航する2隻の船は、1カ月の清掃活動で600トンの二酸化炭素を排出しています。
科学者たちは、この採集技術が、太平洋の表層に生息する生物相の一種であるニューストン(水表生物)に与える影響について懸念を表明しています(本研究は、オーシャン・クリーンアップによる委託研究として実施)。
カニ、タツノオトシゴ、クラゲ等は全てこのニューストンの一部であり、正常な環境下では生物群の中での食物連鎖に不可欠な存在として、様々な海洋生物群の間で重要な生態学的繋がりを構成しています。