■「お化け屋敷」に限った話ではない

果たして、注意書きの設置によって親たちの意識は変わったのだろうか…?

こちらの疑問に対し、齊藤ゾンビ氏からは「子供を無理やり脅かす親が注意書きに気付き、『確かにそうだな』『いじめと一緒だな』と反省する様子を何度も目にしました」との回答が得られた。

齊藤ゾンビ氏はさらに「反省する姿を見ると、多くの親御さんは『子供と遊んでいる、一緒に楽しんでいる』という感覚で、無意識にしてしまっている行為なのだとも感じました」「このメッセージが、ご自身のお子さんとの向き合いかたを見直すきっかけになれば良いなと感じております」ともコメントしている。

お化け屋敷に現れた「お化けより怖い人間」が恐ろしすぎる 無意識でなってしまう可能性も…
(画像=『Sirabee』より引用)

ここで誤解してはいけないのは、件の注意書きがお化け屋敷で「叫び声をあげること」や「驚かせること」を咎めているワケではない点。齊藤ゾンビ氏も「お化け屋敷は、叫ぶことを楽しむ場所です。少しでも怖かったら叫ぶ、それが楽しみ方です」と、頷く。

その上で「しかし、世の中には『恐怖を楽しめる人』と『恐怖を楽しめない人』が存在します。みんなが同じ感覚を持っているワケではありません」「恐怖を楽しめない人は、ストレスやトラウマを抱えてしまう可能性もあります。ですので『恐怖を楽しめない人=お化け屋敷に入りたくない人』を無理やり入れることはせず、恐怖を楽しめる人達で思い切り叫び、お化け屋敷を楽しんでください」と、笑顔のコメントを寄せてくれたのだ。

お化け屋敷に現れた「お化けより怖い人間」が恐ろしすぎる 無意識でなってしまう可能性も…
(画像=『Sirabee』より引用)

言うまでもなく、こうした意識が大切なのは「お化け屋敷」に限った話ではない。

話題のポスト投稿主・杏さんも「最近SNSで、子供にわざと嫌がらせをして泣かせ、大人が笑いながら動画を撮る様子が流れてくることが多かったです。セミを持って虫が苦手な子供を追いかけたり、ハロウィンのお化けに子供を無理やり近付けたり…」「子供に寄り添うことが何よりも優先である親の立場として、決して他人事ではないなと感じました」と、親としての思いを語ってくれた。

幼い子供と触れ合う機会の多い人は、自身の言動を振り返ってみてほしい。とくに、自分が「冗談」と感じているものを。